「大隅良典さん、ノーベル医学生理学賞」

2016年10月05日

「大隅良典さん、ノーベル医学生理学賞」

2016年ノーベル医学・生理学賞に、生物が細胞内でタンパク質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」と言われる現象を分子レベルで解明した東工大・栄誉教授の大隅良典さん(71)が選ばれました。つい1,2カ月前はリオ五輪・パラリンピックで日本のメダル争いに一喜一憂しましたが、ノーベル賞って別格ですよね。誇らしくてうれしい限りです。日本人のノーベル賞受賞は3年連続、アメリカ国籍を取得した方を含めて25人目で、医学・生理学賞の受賞は昨年の大村智さんに続いての4人目です。
大隅先生にスウェーデンのカロリンスカ研究所から授賞の連絡があったのは3日の夕刻だったそうですが、それからは記者会見やいろんな取材、東工大キャンパスでの内輪の会などで、お家にも帰っていない、奥さんの萬里子さんとも会っていないという超多忙。そんな中、4日朝のとくダネ!にも時間をいただいてインタビューさせていただきました。
付け焼刃で大隅先生の経歴やら研究、業績を調べてみました。福岡県生まれで県立福岡高から東大、同大学院、米ロックフェラー大での研究。東大へ戻られて助教時代の1988年に、酵母を栄養不足にしてストレス(飢餓状態)にすると、液胞と呼ばれる小器官に小さな粒が次々とたまっていく様子を顕微鏡で見つけた。「なんだ?これ」だったとか。わずか600倍の顕微鏡だったようですよ。それが、酵母が自らの細胞内にあるタンパク質などを液胞に運び込んで酵素を使って分解(食べる)するオートファジーの過程だったんですね。
そして研究を重ねて、93年に飢餓状態にしてもオートファジーを起こさない酵母を14種類見つけ、正常な酵母と比較することでオートファジーを起こす遺伝子を突き止めた。この遺伝子は酵母以外の動植物の細胞でも相次いで見つかり、この分野の研究は大きく進展したと、ある記事にありました。
細胞の内部で自らのタンパク質を分解する仕組みがあることは50数年前、1960年代に知られていたそうですが、分子レベルでは未解明のまま。それを大隅先生は、生物が細胞内でたんぱく質を分解して再利用する働きに不可欠な遺伝子を特定した。驚いたことにオートファジーは酵母のような単細胞生物からヒトなどの高等生物に至るまで共通して持っていて、近年はパーキンソン病やアルツハイマー病などに共通する神経細胞での異常なタンパク質の蓄積を防ぐ働きをしていることが分かってきて、がん細胞の増加や老化の抑制にも関与していると考えられていると。
「人と競争するのがいや」「人がやらないことをやろう」という思いから始まったという研究が最高の賞に選ばれた大隅良典さん。応用や実用化の研究がもてはやされる傾向を憂いて基礎研究の重要性を訴えておりましたよね。未来を担う子供たちへ、「あれっ?と思うこと、そういう気付きを大事にしてほしい」とメッセージを送っていました。すごい研究論文が発表されてもノーベル賞を受賞するまで30年ぐらいかかるのが通常です。あとに続けるような方が、いる?いない?最近の世相をみると心配になりますが、大隅さんのような研究者が増えてほしいですね。

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