「食養⑦梅干」

2013年06月28日

「食養⑦梅干」

きのう、梅を漬けました。夜、家へ戻ったら和歌山の方へ頼んでおいた梅干用の生梅(南高梅、10キロ)が届いていて、遅い夕食をすませたあと意を決して?作業。完熟梅なので、ぐずぐず延ばすとカビが生えてしまう恐れがあるからです。そうなるとカビは”伝染”するので選り分けて捨てたり、よく洗い流したりと余計な手間がかかります。

さっと洗ったあと家内にヘタ取りを任せ、漬け樽、塩、重石を用意して準備万端。この講座④、⑤に書いたような手順で漬けて“やれやれ”です。2時間ほどかかりましたが、あとは頃合いを見て干して梅酢に戻すだけですから半分以上終わったも同然です。ただ、別口で頼んだ梅はまだ届きません。これは関東圏なので熟す時期が多少遅くなることは当然考えられますが、あるいは今年は変な梅雨でしたからそれが影響しているのかもしれません。もっとも、当方としては間があったほうが楽ですから好都合です。

で、漬け終わったあと、少し残った塩をなめてみました。今回(今年)初めて、ジャワ海の塩(天日濃縮塩)を使ったからです。“おっ!これは旨い”でした。じつは昨年の暮れ、伊豆のふるさと村へお米、味噌、しいたけ(完全無農薬栽培)のほか、どんなものを使っているのかと胡麻、ひじき、棒ワカメなども頼んで送ってもらったのですが、その時に塩も追加したのです。それを梅干用にとっておいたわけです。梅干は梅の種類はもちろん、その年の気候で育ち方に違いがあるのでしょう。同じ塩で同じように漬けても、毎年デキ具合に違いがあります。今年はどんな梅干に仕上がるか、楽しみです。

塩の大切さについては長くなるので稿を改めるとして、梅干の効用について大事なことを付け加えておきます。これについては伊豆ふるさと村の秋山龍三先生が食養懇話会のための資料として記した1文が手元にあります。それをそのまま引用します。『世界に誇る保健食・梅干し』の中の一部で、副見出しは◎カルシウム吸収の助っ人を担う魔術師-です。

――カルシウムは骨や歯の構成物質であるばかりでなく、血液や体温の正常値を維持したり、免疫力をアップして自然治癒力を増幅したり、肩こり、筋肉痛を排除したり限りない働きをする元素です。言い換えると不足すれば病に冒されやすく、病になればなかなか治りにくいということになります。これほど大事なカルシウムが残念ながら(日本は)諸外国に比べて地質の違いから農産物・水などに含まれる量が少ないと言われています。その上、分子の粒子が粗いことと、水に溶けにくい性質から吸収しにくい物質であることから、栄養過剰時代であるのもかかわらず多くの人がカルシウム不足になりがちです。また、戦前、戦中に窮乏した反動から戦後の日本は砂糖の消費量が増大しています。砂糖が体内に入ってエネルギーに変わるときにできるシュウ酸はカルシウムと結びつかないと分解できないので、必ずカルシウムを奪って体外へ排出する宿命です。カルシウム不足になる素因が二重三重にあるのですが、これを解決してくれる魔術が梅干に含まれるクエン酸なのです。クエン酸はカルシウムを吸収しやすいコロイド状に変えてしまう触媒になるのです。栄養学を教える先生や栄養士さんは梅干しなんかはカロリーに乏しく問題にもしませんが、生命の働きには奥が深く、人知の遠く及ばない世界が無限にあると思わねばなりません――

先週末、その秋山先生に東京・根津(文京区)で久しぶりお会いしました。食養懇話会に尽力された当時の法大の山本教授もご一緒で話がはずみましたが、その折、今後の「引用」については了解を得ています。食養懇話会当時のことで思い起こすのは、原因不明で病院へ行ってもなかなか治らない「リウマチ」について秋山師がカルシウム不足が原因!と断言されたことです。

それで自分で作った梅干を食べろ、食べろと家内に奨めたわけです。当時、私の家内は指先が曲がって硬化し(鷲指)、痛がっていたからです。あまり私の言うことに素直に従わないのが常なのですが、渋々食べ始めるようになって今では指を伸ばせる状態が続いています。たまたま何かで聞いたり読んだりして、それじゃ…とスーパーへ行って加工梅を買ってきて食べても、たぶん治らないでしょう。肝腎なのは“本物の梅干”を“続けて摂る”ことだと確信します。

 ジャワ海の塩

榎本正男プロフィール

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