「食養⑨梅の土用干し」

2013年07月18日

「食養⑨梅の土用干し」

わき道へ逸れている間に、まだ、まだ…と思っていた漬け梅を干す時季が来ました。私は古式に則って「土用干し」をします。夏の土用(土用は四季ごとにある)は7月の19日か20日から8月6日か7日まで(立秋の前)の18日か19日間を言います(その年によって前か後ろに1日ほどずれる)。太陽(黄経)との角度で決められているそうで、今年の立秋は8月7日。土用の入りは7月19日ですから、「土用」は立秋の前日までの19日間です。国立天文台(東京・三鷹)が発表しています。気になる方は同ホームページの天文情報センター・暦計算室へアクセスしてみてください。アドレスを下記します。

昔から言われているように「3日3晩、夜露に当てて」を原則としますので、晴れの日が3日ぐらい続くのを天気予報で確かめて作業にかかります。たまたま予報が外れて「晴れのち曇り」とか「曇りのち晴れ」の日があっても問題ありません。ただし、雨はダメです。もしも急に降った場合は、すぐ家の中に取り込みましょう。雨が上がったらまた外に出して干せばいいだけです。私もそんな経験をしたことがありますが、失敗なく梅干はできました。

本稿「食養」の④で必要なものに記した平たい竹編みザルを直射日光の当たる場所に置き(下にダンボールとかを台にして風通しのよいようにする)、梅漬けの梅を並べて干します。梅と梅の間を少し空けたほうが良いです。その方が日光が満遍なく当たりますし、風も同様です。梅の下部は直射日光が当たりませんので折りをみて裏返して日光に当たるようにするわけですが、時間がかけられる人はともかく、私は平日外出しますので出勤日にあたる1日目はそのまま放っておくだけです。2日目の朝、外出前に梅を裏返します。翌日も同様です。要は満遍なく日光を浴びせるということです。

それと、干した梅はそのあと梅酢に戻しますので、漬け樽の梅酢は保存容器(私は④に書いたガラス製の瓶)に移しておきます。もし、入りきらないようでしたら別の瓶に保存しましょう。⑥に記したように貴重なものですので、捨てるのはもったいなさ過ぎます。あとでも触れますが、いろんな使い道があります。空いた漬け樽は次に使うまで、洗って片付けておきましょう。来年までとは限りません。いろんな旬の野菜の漬物作りにも使えます。中ブタはあるし重石もあるのですから、あと漬物にする野菜と塩があれば簡単にできます。

話を戻します。4日目、干しあがった梅を梅酢が入った保存容器に戻しますが、昼と夜の温度差で夜露が発生します。朝、梅に下部を見るとそれに気付きますが、時間があれば裏返して乾かしてから戻すことにしています。そのまま3カ月ぐらい放っておいて(熟成を待つ)、年内には「今年の梅干です」と知人にお裾分けします。ついでに梅酢も梅が浸るぐらい入れてあげます。梅は梅漬けの段階でも食べられますし、干してすぐにでもその気になれば食べられますが、どうも私の経験では梅干にして少し年数が経ったほうが円やかで落ち着いた味がします。熟成するのでしょう。

梅干ができると梅酢から上げて容器へ入れ、冷蔵庫に保存するとか書いてあるのを読んだことがありますが、私は作り始めたころからずっと梅酢の瓶に戻したまま保存しています。瓶に製造年、2010年とか2011年とか書いた紙を貼り付けていますが、先日、10年前の梅干を食べまてみした。水分が少しずつ蒸発しているのでしょう、梅酢は濃い琥珀色で一部がゼリー状になっていました。でも、問題なくおいしく食べられました。そういえば去年だったと思いますが、江戸時代の梅干が発見されて十分食べられたというニュースがありましたよね。

それにしても、なんで季節の変わり目の立秋前に梅を干しをしたのでしょうね。色々資料をみてうなずけるものも多いのですが、まとめて断言するとなると…。ただ、頭の良かった先人たちが経験・伝承を積み重ねて培ってきたことに理由がないとは思えません。とりあえず、単純ですが水分が飛んで梅酢へ戻すと浸透圧の関係で梅酢の一部が梅に戻るのは確かでしょう。これは見て分かります。

国立天文台 天文情報センター暦計算室

 

榎本正男プロフィール

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