「食養講座④梅干」

2013年06月07日

「食養講座④梅干」

今年は例年より10日ぐらい早く、梅雨入りが発表されました。ホントかな?と疑心暗鬼でしたが、案の定そのあと晴れる日が続いたので口が悪い私は「梅雨明けだね」と言って挨拶がわり?にしていました。それはさておき、6月というのは「食養」を考えると特別な月です。お米作りでは田植えでしょうが…

初回に書いた法大での食養懇話会で、伊豆ふるさと村の秋山先生(講師)が必ず6月が近づくと「梅干」の話をされました。約10年続いた会ですが、毎年、欠かさず――です。それを書き起こしただけで分厚い本になります。店頭に梅が並びはじめました。梅干作りの時期になったので、悠長な話はしていられません。年に1度しかないチャンスなので是非、自分で梅干を作りましょう。なぜ?とか梅干の効用などについては次回以降に続けます。

私も秋山先生とご縁ができてから、梅干を自宅で作るようになりました。それまで経験が無かったのですが、やってみると難しいことではありません。原料は旬の梅と、塩だけです。ただ、初めてやる方は容器などをそろえなければいけません。必要なのは漬物用の樽(中フタ付)と重石、そしてあとで干す時に使う笊(ざる)と保存用の瓶です。これらは翌年以降も使えますから揃えるのは初回だけです。

で、経験者(初心者だった)は語る――ですが、まず容器は近くのスーパーなどで漬物用のポリバケツ(中フタ付)が売っています。大きさは漬ける梅の量で変わりますが、重石を載せる部分も必要なので大は小を兼ねる―大きめのものが良いです。重石(中フタの上に置く)は梅の重さと同量とか漬け方に書いてありますが、量がある程度多ければ少しぐらい軽くても大丈夫です。重い1個より2つの方が便利。近くに河川があって丸石を何個か拾って来れればよいんですが、代用品がスーパーなどで売っています。ザルも同様。円形の平たい竹編みのものがあって、先日見たら「ミガキ干し用」と表示してあって500円ぐらいでした。私は10キロか15キロとか漬けますので3枚あります。保存用の瓶(梅酒などを作る)も売っています。これは1000円ぐらいでしょう。どちらも大きめの方が良いです。ただし、シーズン以外は店内から撤去(返品?)されてしまうようなので、買うなら今頃。近くの店に無いものがあれば大型店、あるいはホームセンターです。これで準備万端です。

さて原料の「梅」ですが、梅酒やシロップを作るときは青梅が通常で、梅干には黄色くなった熟れたものを使います。ちょうど今頃から6月下旬にかけてです。一般的に果物は晴れた日の太陽光を浴びて熟しますが、梅は気温が上がった雨の日が続く候に実って熟します。それで今頃の雨続きの天候を「梅雨(つゆ)」と言うのですね。

「塩」には少しこだわりましょう。別に高額なものを使う必要はありません。できるだけ成分が海水に近いもの。白くサラサラに精製されたものでなく、にがり(塩化マグネシウム)や塩化カリウム、カルシウムなどミネラルを含んだアラ塩ということです。海水を太陽光で濃縮したものを天日塩と言いますが、オーストラリアやインドネシア(ジャワ海)とかからも入ってきています。日本の海にこだわる必要はありません。年ごと、あるいは半分ずつとかにして試しているのですが、元は一つの海なのに作り方のせいか味に微妙な違いがあるように感じます。慣れてきたら試してみてください。

さて、私の作り方(マンション)ですが、まず梅のヘタを楊枝、竹串などで取り除きます。テーブルか床(フローリング)に新聞紙を広げて上にポリ袋(ゴミ捨て用を代用)を敷く。その上に置いた塩に、さっと洗って水を切った梅を容器からバラバラっと乗せてまぶします。そして漬け容器に入れるのですが、別袋の塩(広げておいた塩でもかまわない)を底に敷き、その上に梅を積んでいきます。一段ごとに塩を降り掛け、最後になったら残りの塩を全部上に振りかけて中フタ(押しフタ)を置き、重しをかけます。上フタを掛けて日の当たらないところ(私は廊下)に置く。これで作業はほとんど終わったようなものです。(後段に注意事項)

肝腎なことが最後になりました。塩の量です。昔は30%以上使っていたようですが、いろいろやってみて15%~18%ぐらいがおすすめです。つまり、梅が10キロなら塩は1.5キロ~1.8キロ。減塩ばやりですが、それより少ないと失敗するケース(カビの発生)が出てきます。よく減塩梅干、塩分7%とか表記した梅干をスーパーで見かけますが、ご自分でやってみたら分かります。その分量では黒カビが発生して捨てることになるでしょう、防腐剤でも加えないかぎりムリです。12%にトライした仲間が、白カビが浮いて失敗しかけていました。

それで、2~3日たって上ブタを開けてみると梅酢が梅の上まで上がっています。カビの発生も無ければ成功です。そうやって出来た梅酢は原則、腐りません。あとは干す時期まで放っておくだけですが、心配で覗いてしまうんですよね。もし、梅酢の上、容器の縁(ふち)あたりに白カビがあったら、そっと取り除いて念の為、焼酎を湿らせたキッチンタオルかティッシュなどで容器の内側を拭いておくとよいでしょう。

失敗しないための注意事項を列記します。ヘタを取る手間を省かない。梅を長く水に入れておかない(とくにヘタを取ってから)。容器は清潔に(できれば使用前に焼酎で消毒。200ml入りぐらいの小瓶1本あれば十分。キッチンタオルか、無ければティッシュで)。押しブタに別なもの(木製などカビが発生しそうなもの)を使わない。重石はポリ袋で二重に包んで乗せる(梅酢は酸性が強いので1枚では破れることがある)。梅漬けを仕込んだあとポリ袋を被せて鉢巻状に紐で(荷造り用のポリ製ひもで十分)軽く縛り、ホコリや雑菌を侵入しにくくする。これらは全て、カビを発生させないための心遣いです。

これで一段落。慣れてくると簡単です。せっかく梅干を作るのですから、ご家族が毎日1個食べても1年間、足りるぐらいの量にトライしてほしいものです。日本が世界に誇ってよい健康食品、しかも余計な添加物を含まない“本物”なのですから。1カ月か1カ月半後に漬けた梅を干す作業をしますが、これは次回に(次週に予定)。

伊豆・ふるさと村

榎本正男プロフィール

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