最近、「○○珈琲」という喫茶店が住宅街にポツポツ目立ち始めています。先日、そのうちのひとつ、「コメダ珈琲店」に行く機会がありました。名古屋発祥の喫茶店だそうで、強烈で面白かったです。
ブーツ型、たる型、だるま型グラスなど、思わず振り返って見ている自分がいる個性的な飲み物の数々。1・5倍のアイスコーヒーがあったりして、店内は会話に興じる高齢者グループで大にぎわい。お年寄りに混じって、若い男性がひとりでノートパソコンを開いて作業をしているのがまた印象的でした。「ゆったりと過ごしてもらう」というのがコンセプトだそうです。「早く帰ってもらうと実は嬉しい」というお店が多いと思うので、ちょっとびっくりしました。名古屋の喫茶店らしく、チケットでモーニングを楽しむと大変お得だそうです。
それと、座った席の関係だったのかもしれませんが、空調が大変寒く(笑)、それがまた、昔の喫茶店を思い出してしまいました。くしゃみをしながら、飲みたくもない氷水のお代わりをして「喫茶店で何時間も過ごす」という経験は、もう何年もしていませんでした。そして、「おしゃべりをして何時間も過ごす人間関係」というものも、忘れてきたものなのかなと思いました。
そしてもうひとつ。「○○水産」という居酒屋兼食堂も見かけますよね。先日、行って参りました。最近は24時間営業の店舗も多いようです。もう、午前中から真っ赤な顔をした、「大酔っぱ」の方がいて、笑っちゃいました。
そして、「待つ」んですよ、頼んだ物が出てくるまでに。おやっ?と思っていると、厨房から、「焦らなくて良いから、ひとつひとつ確実にやれば良いから」という声が聞こえてきました。
フライの定食を頼んだのですが、口にしてびっくり。噛んだ瞬間に、揚げ立てならではの湯気が出たんです。これは予想していなかったので、グルメ番組でもないのに思わず、「揚げ立てで美味しいですねっ!」と言ってしまいました。
マクドナルドでも、「ピロリ、ピロリ」というあの音を聞いた時には、揚げ立てのポテトフライを食べることが出来ますが、「自分のために揚げたものを、揚がるのを待って食べる」あの感覚は、その昔、「お肉屋さんでコロッケを頼んで、ガラスの向こうの鍋の中で揚がるのを待ち、新聞紙でつかんでパクッと食べる」あの感覚でした。
以前だったら、「あそこ、待たせるからもう行かない!」って思ったかもしれませんが、「あの湯気が味わえるのなら、待ってでもまた行きたい」って思いました。
自分の中で、「安い、早い」を有り難がる気分から、そのために忘れてきたものや切り捨てられてきたものに目が向き始めているのを感じます。これも、アベノミクスと関係あるのかなぁ?と自分の心を分析しています。
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