食養⑩続…梅干

2013年08月02日

食養⑩続…梅干

天気予報がよく中るようになったなあ…と科学技術の進歩に感心していたところですが、最近は“どうした?”と思うぐらい参考になりません。それだけこれまでのデータが当てはまらない異常なことが起きているのでしょう。週間予報を見て今週は梅漬けにしてある梅を干そうと予定していても、それが急に「雲と傘のマーク」(曇時々雨)に変わってしまって延期が続いています。

でも、焦る気持ちは湧きません。“そのうち晴れるだろう”ってなものです。先に漬けてあった南高梅10キロ=写真=はすでに保存用の瓶に入れた梅酢の中に戻してあります。あとは関東圏産の中ぶりの梅(10キロ)ですから気が楽。マンションのベランダで干しますので一遍に20キロだとキツいでのすが、これまでの経験では甲子園で高校野球が始まる前後には晴れるという確信があります。

ところで、つい数日前、通勤に使う駅で若い女性が倒れていました。意識はあり、仲間らしい女性がいて駅員も駆けつけていたので余計な手出し(救助)はしなかったのですが、これが熱中症か…と思われる状態でした。朝、梅干一つ食べていたら…体に必要なミネラルを含んだ塩で作った味噌の味噌汁を摂っていたら…本物の梅干を毎日食べていたら…。そんな食事をしていたら、たぶんこんなことにはなりません。今年、熱中症で救急車で搬送された人がもう2万6000人を超えているそうです。

塩に関しては塩そのものの歴史とか成分とか、ヒトの体内でどういう働きをしているか、血液の成分分析、血圧との関係など色々資料を集めて再勉強していますが、自然食養学会の秋山先生が「あれは(熱中症)塩分不足です」とかつて断言していた食養講話の内容を裏付けるものばかりです。それにしても、どうしてイオン交換膜を使って作った塩化ナトリウム99%(99.99%)の工業用の塩(エン)が「食塩」として“専売”で販売されるようになったのか。「お金」でしょうが、痛恨のできごとに思われます。

話がくどくなりそうなので、梅干に戻って付け加えておきます。よくカビが生えたと大騒ぎしますが、一般的に「黴(かび)」と言っているのは水分と適温を得て増殖した微生物が集まり(コロニー=集落)、目に見える状態になったものです。梅漬けの時に塩分不足などで発生する白っぽく見える黴(糸状菌)はスプーンなどで掬ったり、拭き取ったりすればまず大丈夫です。カビ菌はいろんなところ、空中にもいますが概して塩に弱いので、梅漬けの稿で記したように塩をケチらないでください。いわゆるカビは海中では発見されていないようです。

もう一つ。関連しますが、『梅干と日本刀』という本を読んだことありますか? 15年ほど前に亡くなられましたが、長く國學院大學で教鞭を取られていた樋口清之さんという方が書かれた本です。考古学者、歴史作家としても有名で多くの著書を残しておられます。出版されてからかなり年月が経っているのでどうかと思いましたが、調べたら上・中・下を一冊にまとめた『完本 梅干と日本刀』(祥伝社)が発行されていて、平成22年に第9刷を数えています。題名に抜擢した梅干と日本刀についての考察はもちろんですが、副題の━日本人の知恵と独創の歴史━が次々に展開されている面白い本です。機会があったら読んでみてください。うれしい気分にさせてくれます。

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榎本正男プロフィール

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